日常生活の中には様々な事故・ケガのリスクが潜んでいます。それは掃除中も同じです。
実際掃除中にどんな事故が起きているのか東京消防庁の救急搬送データから学んでみましょう。毎年700人以上が掃除中のケガで救急搬送されているそうです。
掃除中の事故・ケガを防ぐために
しっかりした足場を確保する
「落ちる」事故が全体の26.2%と多く、階段や脚立・踏み台・足場、椅子から転落しケガをしています。
椅子に立って掃除をしていたが、降りる際に滑って床上に臀部から転落し、腰部を骨折した。
(80歳女性 重症)
リビングで三脚に乗りエアコンの掃除中、誤って三脚から転落した。
(63歳女性 軽症)
台所で椅子に乗り、換気扇の掃除をしていたところ、椅子が倒れ転落し足を骨折した。
(72歳女性 中等症)
エアコン、換気扇、照明器具などの高い所を掃除する時は足場が肝心です。しっかり確認してから登りしましょう。降りる時も油断は禁物です。
水で濡れた場所では転倒に注意
「ころぶ」事故は最も多く起きており、全体の36.9%となっています。
水に濡れた床は滑って転びやすくなっています。足元が濡れている場合は、予め水気を拭き取って滑らない措置をしてから掃除するようにします。
家庭内ではもちろん浴室・脱衣所が代表的な濡れる場所であり、転倒事故が多く発生しています。
年齢や個々の体力を意識する
年代別の救急搬送人員では60歳代・70歳代が多く、全体の4割以上を占めています。また、高齢者(65歳以上)の搬送人員は年々増加傾向にあります。
年を取ると自分が思っている以上に体が動かない場合もあるようです。年齢や自分の耐力を考慮し、無理な作業は控えましょう。
息子さん・娘さん達に頼むほか、プロのハウスクリーニング店・エアコンクリーニング店に掃除を依頼するのも一つの方法です。
機器を掃除、お手入れする時は手袋着用
換気扇などの設備機器、特に金属製の部分を扱う場合は手袋を着用するようにしましょう。
素手で扱った場合、思わぬ切り傷を負う危険性があります。
状況に応じゴム手袋・軍手を使い分けます。庭仕事・ガーデニング用の手袋も使い勝手が良いです。
洗剤等による手荒れの防止にもつながります。
まぜるな危険!洗剤を混ぜて使わない
いわゆる「まぜるな危険」と表示されている洗剤のことです。
塩素系洗剤「まぜるな危険 塩素系」と酸性タイプの洗剤「まぜるな危険 酸性タイプ」を一緒に使用すると有毒な塩素ガスが発生し、かなり危険です。
塩素系洗剤は「サンポール」などトイレの洗剤に多くあります。酸性タイプの洗剤は「カビキラー」「キッチンハイター」などのカビ取り剤や「パイプフィニッシュ」などのパイプ洗浄剤が該当します。
必ず洗剤容器に書かれている注意事項を確認しましょう。またそれらの洗剤を同じ場所に使う場合は、洗剤が混ざらないように前に使用した洗剤をしっかりと洗い流してから使用します。
大掃除の際には特に注意
年末には多くの方が大掃除をされます。それを反映し、月別では12月に多くの人(概ね他の月の2倍以上)が救急搬送されています。
慌てず気を付けて掃除をするとともに、ハウスクリーニングを利用することも掃除による事故・ケガの防止につながります。
プロの掃除なら一年の汚れをリセットし、新しい年を気持ちよく迎えることができます。
参考資料:東京消防庁「掃除中の事故による救急搬送状況」
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